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アパレル業界がヤバイ に物申す!!業界復活のビジネスモデルを考えてみた

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先日こんな記事を見まして

アパレル業界がヤバイ 若者がおしゃれや恋愛に興味を持たず外出着すら買わなくなった模様

自分もこの業界にいるので、思うところがあり今日はそれを書こうと思います。

付加価値がないブランド

元々はこの記事が発端です。
アパレル不況に「絶食系」の影 大手でリストラ相次

内容を要約すると、東京ソーワールとレナウンというアパレル企業が赤字やリストラなどの業績不振になっているとの事。

その原因が若者が恋愛離れして草食系や絶食系になってるからとかなんとか書いてます。

恋愛に必要なモテ要素のモテ服が不要になってきており、それがアパレル業績の不振に繋がってるとのご指摘です。

ちなみに東京ソーワールはこちら
http://www.soir.co.jp/
レナウンはこちら
http://e-shop.renown.com/pc/brand/index.html?aid3
になります。

東京ソーワールはググるとブラックフォーマルと出てきます。

フォーマルウェアは冠婚葬祭に着るものでそのために購入する物です。

購入に恋愛とかモテ要素の理由はほとんどないでしょう。

レナウンのブランドは若者は知ってるの?って感じです。

この企業の業績不振の理由が若者の恋愛離れやモテ服がどうのとか言ってる意味が分かりません。

こーいう事を書かれるとまるでアパレル業界が売れ行き不振の言い訳してるみたいで本当に嫌な気分になります。

現場の販売員の人達の中には、今のこの状況を把握しながらも色々頑張って活動してる人達も沢山いるのですから。

この記事どおり考えてる人はこの記事を書いた人とそれを見てウンウン頷いてる企業のお偉いさん達ですよ。

でも、まー商品の値段の付加価値をファッション性という超絶ザックリの大雑把な理由で売ってきてた訳ですからアパレル業界ヤバイとか書かれてもしょーがないといえばそーなんですよね。

そのファッション性の一部である服のデザインが、ユニクロなどのファストファッションとほぼ横並びになってきてるのですから値段の安い方にいくのは当たり前の流れです。

昔、販売員の先輩から付加価値の話をされました。

『売り場の商品の値段はそのままの値段じゃない。俺達のお客さんへの着こなしのアドバイスやお店の居心地の良さ、楽しいと感じてくれる物全て含めて提供しての値段だ』と。

でも今やその付加価値を付ける販売員への信頼もガタ落ちです。

お店が増えて競争が激しく、どこも売上不振なんで接客の売り込みが強く敬遠されがち。

買った商品がいきなり季中に値下げされてる。

など要因は様々ですが。

前にメチャカリっていうファッションレンタルのサービスのCMに欅坂46てアイドルグループが出てたんですけどその内容にちょっと驚いてしまって。

その内容っていうのが、お客さんがショップ内でヘッドフォン聞いて服を見てて店員の声に気づいてるのに無視という場面。

ショップ店員さんがまだ苦手です とかなんとかのキャッチコピーだったかな。

実際にありそうな場面ですけどTVのCMこーいうの流れちゃうんなんだなと。

だから販売員への信頼性も薄くなっていって消費者は接客にほとんど価値を感じなくなってしまってるんですよね。

ここで言いたい事は販売員が全く信頼されてないという事ではなく、こーいうイメージが定着されてしまってるという事です。

今の消費者の考える゛ファッション性゛とは

アパレル業界のお店を大きく分けると3つに分けてみます。

1  ハイブランドとかラグジュアリーブランドと呼ばれる高価格なお店
2  ファストファッションや量販店の安価なお店
3  上記2つの間の価格帯のブランドやお店。

今、この中で最も厳しい状況なのが 3 の間のブランドやお店。

他の2つに比べるとお客さんに与える付加価値がないからです。

ハイブランドの価値はそのブランドを所有する事のステータス。

ファストファッションブランドは安価でトレンド感ある服が手に入る事。

間にくるブランドには価格に対して提供すべき価値がほとんどない状況です。

こんな分かりきった状況を、説明するだけじゃしょーがないんでこの状況をどーすれば良いのか?僕なりに考えてみました。

まずそもそも今、世の中の人達が考えるファッション性って一体なんなの?からです。

こちらをご覧下さい。

【2015年 アパレル業界(国内) 売上高ランキング】

【売上高】
1位 ファーストリテイリング・ 1兆6817億円
2位 しまむら・・・・・・・・・・5470億円
3位 ワールド・・・・・・・・・・2985億円
4位 オンワードホールディングス・2635億円
5位 青山商事・・・・・・・・・・2217億円
6位 アダストリア・・・・・・・・2000億円
7位 ワコールホールディングス・・1917億円
8位 AOKIホールディングス・・・1838億円
9位 TSIホールディングス・・・・1672億円
10位 グンゼ・・・・・・・・・・・1411億円

引用元 激安!元家電量販店員が語る業界裏事情!

ファーストリーディングはユニクロやGUを所有する企業。

しまむらは量販店の代表ブランド。

この2つの企業の独占状態

という事は世の中の多くの人達にユニクロやGU、しまむらが支持されてるって事。

じゃあ、どんなところが支持されてるのか?がこちら

WEARで2016年最も見られたコーディネートは?独自のトレンドランキング発表
これはWEARという服のコーディネートを投稿するサイト。

一般の人が投稿したりそれを見て参考にしたりするサイトです。

で、去年のレディースでコーディネート着用が多かったTPO3がGU  ユニクロ  コンバース になります。

メンズが同じくユニクロ GU NIKE になります。

ちなみにコーディネート着用と言いましたが全身全て同ブランドはほとんどありません。

あくまでもコーディネートの一部です。

で、こちらのファッション誌

dsc_0084

ちょっと前のレディースの雑誌です。

ここで注目して欲しいのは表紙のタイトルです。

ちょっと読みづらいのですが ZARA ユニクロ GU H&M があれば秋のすべりだし上々 と書いてます

雑誌の表紙で大きく出してるタイトルはその雑誌で一番のウリの内容の特集記事です。

その特集記事にファストファッションを代表する4ブランドを組んでるという事です。

特集ページの中身はファストファッション+編集部オススメブランドでオシャレにコーディネートという特集。

最近のファッション誌はこーいうファストファッションを使った特集が目立ちます。

人気や反応が良いのでしょうね。

WEARやこのファッション誌は若い人向けというならこの人。

プチプラ コーデ術 yokoオフィシャルブログ

ユニクロなどのファストファッションを使ってオシャレなコーディネート画像をアップしてる主に主婦層に人気なブロガーでありインスタグラマーの人です。

この方は本まで出している人気ブロガーさんです

この事から世の中の人達は安価なファストファッションを含めた服のコーディネートでオシャレしたり楽しんだりしてるという事が分かります。

~ブランドの服を着るのではなく服と服の組み合わせを楽しんでるのです。

もう~ブランドを着ているというのは消費者にとってはそれほど重要ではないのです。

で、これが自分なりに考えた世の中の人が感じるファッション性なのですが

ブランド関係なしに、その服と服の組み合わせ方で見た目がオシャレだと共感出来る人や情報

なのかなと。

それが安価なファストファッションブランドを用いた情報であれば、すぐに自分も再現出来るのでその情報を発信してる人にも親近感も湧きます。

だから服単品のデザインとかで爆発的なヒットとかはもうほとんど無いと考えてます。

そんなん、すぐとなりの店に並んでしまいますから。

今のアパレルショップを2~3店舗回れば同じような商品が並んでますよね?そういう状況ですから。

価値ある情報の発信が付加価値を生む

こういう状況に対して

1 である高単価なラグジュアリーやハイブランドのお店はそもそもお客さんのターゲットが絞り込まれておりここに紹介されてる人達は含まれません。

該当するのは残りの2 ファストファッションや量販店の安価なお店 と3 上記2つの間の価格帯のブランドやお店 になります。

今回はこの 3 のお店の話。

でこちらのサイト

http://www.uniqlo.com/jp/

これはご存知ユニクロのサイトです。

当たり前の話ですが掲載してる商品は全て同ブランドでモデルが着用しているのも全身同ブランドになります。

さっきも言いましたがユニクロは安価で良品という価値を消費者に提供しているので、別に何の問題もありません。

問題なのが付加価値の失っている3 のお店やブランドが同じようなサイトを作ってる事です。

前にその該当するブランドのアプリをインストールすると割引になるという事で見てみたのですが

そのブログを見ると

最近寒くなりましたね・・

そんな寒さを感じさせない暖かいコートが入荷しました!!

全身同ブランドコーデのショップスタッフらしき人の画像

着用商品の値段 終わり。

みたいな。

繰り返しますがコーディネート全身同ブランドです

これはこのブランドに限らずどこのブランドサイトもこういう作りになっています。

当たり前といえばそーなのですが。

じゃあ販売さん私服も全身全て自分とこのブランドそのコーディネートなの?

・・・・・

 

 

なわけないし

 

 

WEARやインスタもそう、投稿コーディネートはほとんどバラバラのブランドで組み合わせてるし、全身同ブランドのが少ない。

ブログに載せてるコーディネートに全くリアリティが感じられない。

これ矛盾してますよね?

だって自分達が私服じゃほとんど着ない全身コーディネートでお客さんの私服となるそれを薦めてるんですよ。

実店舗でスタッフが着用してるだけならまだ分かりますが、それをセットでコーディネート提案して販売してと教えられ実践させてます。

お店のスタッフを載せれば多少の親近感が出るんでしょうけど、このサイト見るならAmazonやZOZOで色々なブランドと価格を比較して見た方が数倍メリットありますよね。

見てるのはごく一部のブランドの熱烈なファンってとこでしょうか。

やってる事が先ほど行った今の消費者が求めてるファッション性とズレてますよね。

同じブログで発信するのであれば

このパンツ(自社ブランド)とユニクロの~で合わせたらメッチャコスパでカワイイコーデになりました(画像付き)

とか

このパンツ(自社ブランド)柄物トップスにも合うんです!!実はこの柄物トップスしまむらの~なんです!!この値段なら柄物もチャレンジ出来ますね(画像付き)

みたいな情報発信した方が、そのパンツ(自社ブランド)を購入したお客さんからしたら全身同ブランドで寒くなりましたねとか言ってるブログの

 

 

100倍価値がある情報

 

 

ですよね。

別にユニクロである必要もなくお気に入りの古着屋でもアクセサリーショップでもいいし。

『他のブランド載せたらそっちが売れてしまうだろ!!』とか言われそうですが載せようが載せまいがどっちにしろ売れてますから。

『イヤイヤ他社ブランドのコーデとか載せたら自社ブランドのイメージが・・』イメージ守って死亡して下さい。

そのイメージでやってきて業績不振なんでしょうが。

それに現場の販売員が自社ブランドと他社の物を上手くコーディネートするような情報を発信していったら単純に『この人オシャレだ!!』とか『着まわしが上手い』ってなりますよね。

こういう情報やそれを発信する人が消費者の求めてるファッション性であったり付加価値なんじゃないんでしょうか?

消費者の失ったブランドやショップ販売員の信頼を取り戻す1つの手段なのでは?

インスタグラマーとかインフルエンサーとかの人達がやってる事と同じ事をやればいいし販売のプロである販売員なら出来るでしょう。

ブログで

このパンツ(自社ブランド)とユニクロの~で合わせたらメッチャコスパでカワイイコーデになりました(画像付き)

このパンツ(自社ブランド)柄物トップスにも合うんです!!実はこの柄物トップスしまむらの~なんです!!この値段なら柄物もチャレンジ出来ますね(画像付き)

この靴(他社)が凄く可愛くて最近はこのワンピース(自社)やスカート(自社)とよく合わせてます。お気に入りの靴屋で場所がこちらになります。(アクセスリンク) お近くの方は是非!!

この服(自社)に合うネイルに変えてみました!!こんな風な色にすると全身で見たときにオシャレなのでお持ちの方は参考にして下さい!!

今日お客様に~と言われてメッチャモチベーション上がりました!! ←たまにこんな内容も

こんなふうな内容を発信していきます。

あ、文章や内容とかはもう少し加えてですがこの場では省略させてます。

新作入荷しました!!お時間あったらお店に遊びにきて下さい!!

的な内容も加えたりします。

これら一連のブログを見て来店されたお客さんに

『良かったらご試着もできますので』

『その服私も着てるんです!!』

というネットで『分かってる』だの『知ってる』だのツッコまれまくった名セリフは言う必要がなくなりますよね。

初見のお客さん相手にファーストアプローチだのタイミングだの10年以上前からあるカビ臭い接客マニュアルなんていらないですよ。

あ、これ業界に入ったら接客のシュミレーションであるロープレって言うのと一緒に教えられるんですよ。

全く必要ないとは言いませんが、せっかく購入されたお客さんのフォローもせずにずーっと初見のお客さん相手にザルで水すくうような商売のやり方が通じる程余裕な状況じゃないでしょ。

ポイントカードから得られるアドレスに コートフェアやります セールのお知らせです ってメールはお客さんに色々なお店から何十個も送られてくるんです。

そんなメールはゴミ箱でしょ。

逆に上記のようなお客さんに価値ある情報のブログとかが購入して下さったお客さんのフォローにもなるし関係性の構築にもなりますよね。

で、来店されたお客さんと販売員とブログの話したりコーディネートの話とかで盛り上がったりして更に関係性を構築出来る様になります。

ブロガーやインスタグラマーと違って直接お客さんと接点持てるお店がある訳で。

で、ある程度リピートしたお店のお客さん集めてイベントやってもいいし。

販売予定の服の展示会とか。

ここまでいくと単に現場の販売員がブログ書けばいいとかそんな話ではなく、ブランドビジネスのモデルの話になってくるので実現するにはかなり大変だとは思いますが。

昔の僕の先輩はメッチャオシャレで知識も豊富で色々な事を僕やお客さんに色々な事を教えてくれました。

お客さんも尊敬していて色々その先輩に相談していたりしてました。

ネットが出てきてお客さんとの関わり方、ツールになる物が昔とは違ってきてます。

でも、『あの販売員さんからオシャレな着こなしのアドバイスを貰おう!!』みたいなのは変わらないで欲しいものです。

そういう人が着てる服のブランド、お店、企業からはユニクロよりも多少値段が高くても買ってくれるお客さんがいるのでは?と思います。

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