Photo by www.fashion-headline.com
今回は前回の続きをお話しようと思います。
前回はファッション感度とアパレルマーケットのピラミッドを元にユニクロルメールは何故オシャレに見えるか?の話をしました。
前回の話はコチラ
⇒着るとオシャレに見える!?ユニクロ&ルメールとファッショントレンドとの意外な関係
結論としてはクリフトルメールのブランド力と通常のユニクロよりも少しオシャレなデザインがそう見せている
というのと
洋服の経験値の差で同じユニクロでも選ぶ服が違ってくるという2つの要点でまとめました。
今回はその続きになります。
同じユニクロでも差が出てくるのは経験値の差なのでしょうか?その辺のお話です。
登場人物
べっしー
ファッションスタイリスト兼ブロガー 30代
トシくん
べっしーさんの依頼人 30歳を機にファッションを変えようとべっしーさんに相談中
ファッションの見方や捉え方は人それぞれ違う
いきなり冒頭から忘れないでよ。ファッションの経験値が高ければ同じユニクロでも選ぶ物が違ってくるって。
あーそうそう。それで経験値はやっぱり最新の流行の服やお店で購入する事で得られるって言ったね。
なる程。そしたらまずは自分の事は一旦置いておいて、周りの人の事を考えてみようか。
そう。オシャレとか格好良いって決めるのは自分じゃなくて周りでしょ?だからまずはみんなどんなふうにそのオシャレを捉えているのか?から。
とりあえず前回出したファッション層のピラミッドがこれね。
そう。それと同時に先へ行くほどファッションへの興味関心が強くなっていく人達。こんなふうにね。
この興味関心の度合いは会話を想像すると分かり易い。
ちょっと想像してみて。久しぶりに学生時代の友人に会ったとする。学生時代はパッとしなかったけど、現れた友人はオシャレになってた。
この時に交わす会話。トシくんだったら何て声かける?
え!?・・・そうだなー『久しぶりー!お前しばらく見ない間に何かちょっとオシャレになったな!!』って感じ
そうだよね。おそらく大抵の人はそうだろうね。じゃあ今度は僕が声をかけるね。
『久しぶりー!お前しばらく見ない間にオシャレになったな!!そのアウター何処のブランド?』・・トシくんとの違い分かる?
そうか!!服に対して興味、関心が強くなると着てる服が何処のブランドとか聞くようになるのか
そうだね。その他だと何処のお店で買ったの?とかがあるかな。逆に関心が薄い人はブランドやお店などは聞かないし、そもそもブランド自体の把握もあまりしていない。
関心の度合い、レベルによって相手の見るポイントが違ってくる。ザックリ分けて3パターン位かな。
まず、服やファッションに対して殆ど興味、関心が無い人。このパターンは話題にもならない。時計に興味ある人は直ぐに相手の腕に目が行くけど、無い人は腕に注目したりしないから。
そう。次に少し興味、関心がある人。服というよりかは外見と言った方が良いかも。この人はトシくんみたいにパッと見の印象と全体の雰囲気で考えるパターンの人。
最後に全体の雰囲気を見て、着てるブランドやお店に興味を持つパターンの人かな。
確かにこうやって聞くと、それぞれの関心の度合いで捉え方が違ってくるのが分かるね。
この興味、関心のレベルはその人の状態によっても上下するしね。
例えば学生時代はメチャクチャ服好きでブランドにも詳しかったけど、社会人になってからは興味が薄れていったとか。
前の記事でも言ったけど全ての人が自分の格好を同じ様に捉えたり、解釈する訳じゃないからこうやって相手の捉え方を考えれば、見せ方のポイントが分かってくる。
そう。トシくんは今言った3パターンのうちどのパターンの人が多いと思う。
そーだな・・ピラミッドは下に行くほど人口が多いって言ってたから興味、関心が薄いパターンの人?
その通り。さっき見せたピラミッドで言うと一番下の更に下の層。図では見えてないけど前の記事で話たディスカウンターっていう服は安いセールでしか買わない人達。
そう。ピラミッドで言うマスと呼ばれてる人達。そしてこの人達の割合が興味を示してくれる中では一番多い。この図の黄色の部分。
あーそういう事かこの黄色の部分の人達が自分の周囲にいる割合が多いって事か。
そう。つまりこの黄色の部分の人がオシャレだなって感じるポイントを考えていけば良いって事。
マス層の特性を考える
この黄色の層はマス層って書いてあるけどどんな人達の事なの?
マスとは大衆とか集団とかの意味。一般的な普通な人って感じ。
例えばまたスマホを例にするけど、トシくんはガラケーからスマホに変えたのは何で?
え?スマホに変えた理由・・いや周りの人も変えてきたし、そろそろかなって感じかな
そうだよね。スマホが出た当初から変えようと思った訳じゃないよね?
スマホの普及なんかが一番わかり易い例なんだけど、マス層の人って変化にちょっと慎重なとこあって、それを確認する為に周囲の状況を見たり確認したりする所があるんだよね。
あー確かに。最初にスマホ買った人見てもへ~位にしか思ってなかった。でも段々周りが変え始めたら俺もっ!!てなってた。
そうだよね。こういう現象を心理学では同調現象とか同調行動って言うんだ。マス層というのはファッションに限らず色々なサービスでターゲットとされる層だけど、このマス層の流行はほぼこの同調現象と言っていい。
で、この同調には人に与える影響として色々な効果があって代表的なのが親近感だったり共有性なんだ。
スマホを買って周囲の人に見せたりした時に『おートシくんはiPhoneか!!』何て言われたらちょっと嬉しかったりしたでしょ?
あーそうだね。テンション上がって色々喋ってたね・・
まーそんな感覚。後この※同調には相手に好印象を与えるっていう効果もある。
※こちらにも詳しい内容が記載されてます
⇒
なるほど! 同調行動がもたらす7つの効果
ファッションに話を戻すとマス層で重要なのがこの同調という考え方を元にした共感できるポイントなんだ。
そう。まずはこれを自分の服装コーディネートに抑える必要がある。
確かに共感できるポイントは範囲が広いから難しく聞こえてしまうね。じゃあちょっと絞り込んで考えよう。多少服や外見に興味があるパターンの人は相手の何処を見るんだっけ?
そうだよね。じゃあパッと見って具体的に何処を見るの?
えー・・具体的に・・色とかは最初に見るよね・・後は・・こうべっしーさんみたいにシュっとしてる感じ・・
色は人が最も印象に残る要素とも言われてる。シュッとって言うのはスッキリ見えるとか細く見えるとかって事でしょ?
これをまとめるとパッと見のポイントは洋服の色使いや色の組み合わせと服のデザインやシルエットっていう事になる。
そう。つまり色とシルエットが共感できるポイントって事。
色やその組み合わせに関してはあまり奇抜な色を使わずベーシックな黒、紺、グレー、白などに明るい色を1色みたいなのが良いかな。
デザインは基本的にはシンプルな物。で、シルエットは今は細身が主だから細い物や細く見える服の組み合わせ方。
基本的にはそう。色の使い方は多少個人の好みとかあるけどベーシックな物であれば拒絶される事はないかな。デザインやシルエットに関しては間違いない。
冒頭で言っていたお金がかかるって事は、この2つのポイントを抑えておけばブランド物や高い値段の服は買う必要が無いって事なの?
お金をかける事が必ずしもこの2つのポイントを抑える事にはならないよね。ただ前の記事でも言ったけどそういうブランド物の服を購入して着る事を体感するという投資的な考え方はアリだよね。
ユニクロルメールもこの2つのポイントを抑えて選んでいるからオシャレに見えるという事。
ただ、この共感できるポイントを抑えるだけじゃ『オシャレですね』にはならないんだ。
そうだね。これはあくまでも共感であって抑えても『爽やかですね』程度。
ただ前提としてしっかり抑えておかないと次のステップには踏めない。それにこの2つのポイントを抑えるだけでも服装や外見の印象は全然違う。
そーか。でもやっぱり『オシャレですね』って言われたいから次のステップも教えて!!
ファッションを見る側の視点で考える
今回はオシャレに見せるという主観の視点というより周囲はどう見えてるか?という周囲の視点でのお話でした。
僕は色々ファッション誌やサイトを見たりするんですが、あんまりこういう周囲がどう見てるか?という物を見た事がなかったので記事にしてみました。
『オシャレに見える!!』って言っても見たり評価する人は他人な訳でやっぱり解釈の仕方も人それぞれです。
昔はブランド物を着てれば=オシャレ みたいなところありましたが今はそういう時代じゃありません。
ただ人それぞれで解釈してしまうとそれまでなので、アパレルの消費ターゲット層のピラミッドを使って表現してみました。
一般的な社会人でマス層よりも上の層の人はごく一部に限られます。
割合としては10人中6~7人がマス層ですね。
残りはオピニオンリーダーと呼ばれるファッション好きで流行に敏感な人とファッションに興味が無い人のどちらかです。
なので今回はこの割合が高いマス層が対象になった考え方になっています。
ちなみに女性に関して言うと、8~9割の方が相手の外見やファッションに興味、関心があると言えます。
『そのネイル綺麗だねー』とか『そのバック可愛いね』とかの会話は日常茶飯事なので。
ただ、男性を見る場合メンズのブランド物などは分からないのでパッと見の全体の雰囲気になります。
この辺りは会話に出てきたマス層と同じです。
今回の共感できるポイントは重要でこれを抑えていなければオシャレどころか逆になってしまう場合もあります。
全身ブランド物でお金をかけてもオシャレに見えない人は皆このポイントを抑えていないからです。
ポイントをしっかり抑えればユニクロようなファストファッションブランドでも十分に好印象に見せる事が出来ます。
共感できる2つのポイント
色使い、色の組み合わせ
シンプルなデザイン、細身のシルエット、細く見えるシルエット
です。
ただこれだけでは『オシャレですね』にはならないです。
また、最先端の流行をおってファッションにお金をかける必要があるのか?という回答も不十分ですね。
この手の話ってどーしてもボリュームが増えちゃうんですよね。
なんで続きはまた次回にします。
使えるオシャレな大人のファッション関連のまとめ記事はコチラです!!
⇒大人のオシャレなコーディネートに関する仕組み、仕方 記事 一覧