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今回は前回の話の続きみたいな話です。
トレンドの服とファッションショー、その繋がりに関してもう少し詳しくお話します。
ちょっとマニアックな話なので興味ない人は見ない方がよいかも。
雑学的な感じで気軽に見て下さい。
ファッションショーって、普通の人からするとほとんど馴染みがない物だと思います。
これはそのファッションショーの一部
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ハイセンス!!
ちょっと意味分かんないですよね。
何かの盾でしょうか?ぬりかべ的な。
まーこれは演出というかショーでデザイナーが伝えたい世界観みたいな物です。
僕もほとんど理解出来ません。
ただ、今のはちょっとふざけて載せたものでコレクションにはもう少しちゃんと見れるコーディネートもあります。
今回はそれらの見方とトレンドや流行との繋がりをお話します。
ファッションショーを見る視点
ショー全体に焦点を当てると難しいので、ちょっと視点を変えてみましょうか。
前回の記事ではファッションショーからファッションの新登場する服や継続してる服などの傾向が読み取れるとお話しました。
こちらが前回の記事。
トレンドの服でオシャレ!?終わった服着てダサい!?ファッションの流行とオススメの取り入れ方を解説
今回はは1つの服に焦点を絞って見てみましょう。
ちょっとシーズン終わってしまいまいましたが、分かり易いところでチェスターコート。
このチェスターコートが出始めたのが2011-2012秋冬シーズンのコレクション。
ランバンというブランドのコレクションを見てみましょう。
2011-2012秋冬 ランバン
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今から5年前にもなるんです。
セレクトショップで見かけ始めたのが3、4年前くらいですから、やっぱり早くから提案されていたんですよね。
ちなみに皆さん、もしチェスターコートを購入されているのであればどの位前に購入したか考えても面白いと思います。
この辺りの購入タイミングに関しては前回の記事でも言ったファッション感度が高いかどうか?に関係します。
で、次のシーズン
2012-2013秋冬 ランバン
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前シーズンとそれ程変わりはないですね。
継続されているという事です。
次は
2013-2014秋冬 ランバン
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ちょっとシルエットが変化してますね。
前シーズンに比べてゆったりとした形です。
2014-2015秋冬 ランバン
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前シーズンに続いてシルエットがゆったりしています。
前回もお話しましたが、同じチェスターコートもシーズンを重ねるにつれて少しづつではありますが変化していってるのが分かるかと。
2015-2016秋冬 ランバン
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今度はシルエットのゆったりさは継続で襟の形が変化していっています。
一連の流れからピタッとした細身のシルエットではなく、ちょっとゆったりしたシルエットへの変化していくのが分かるかと。
そうすると一番最初にみたチェスターコートのシルエットや形が段々と古いデザインになっていく事が分かります。
このようにして服のデザインがシーズンを重ねるにつれて変化していくのです。
コレクションはこの様に継続してシーズンを追っていくと、シーズンとシーズンの変化を読み取る事が出来ます。
今度は同シーズンでの他のブランドとの比較。
コレクションは毎年、一定数のブランドが参加しています。
シーズンを追うのが縦の軸であるなら、他のブランドとの比較は横の軸です。
この比較によって、そのシーズン全体の傾向が分かるようになります。
同じようにチェスターコートで考えてみると
こちらが1番最初に例に出した2011-2012秋冬シーズンのプラダとディオール オムのショーの物です。
2011-2012秋冬 プラダ
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2011-2012秋冬 ディオール オム
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やはり同じ様にチェスターコートを提案しています。
つまりこのシーズンでは色々なブランドがチェスターを提案しているという事になります。
ここから色々なアパレル企業が
チェスターコートくる!!
と一斉にチェスターコートを作り始めるのです。
そこから消費者に広まっていく流れです。
このようにトレンドはコレクションの横軸と縦軸を組み合わせてみると、その傾向が何となく見えてきます。
今は分かり易いように、チェスターコートというアイテムに絞って説明しましたが、実際はアイテムの他に色や柄、素材、シルエット 靴や小物 コーディネートの仕方など複合的な要素からそのシーズンの傾向を読み取っていくのです。
この辺までいくと流石に難しいですよね。
昔とは違う関係のファッション業界と消費者
流れとしては前回お話した、ファッション感度が高いイノベーターやオピニオンリーダーといった人達がこれらのコレクションから最先端のファッションを取り入れていきます。
少し極端な例えではありますが、ここで例に挙げたコレクションを行うようなブランドの服をそのシーズンジャストで購入する事が最先端のファッションを身に付けるという事になります。
それはかなり高額な商品になるので、そのような買い物が出来る人達は限られています。
そして、その限られた人達の中でも多大な影響力を持った人がインフルエンサーと呼ばれる人です。
そういう意味では、このイノベーターやオピニオンリーダーはインフルエンサーとも言えます(全てではありませんが)
分かりやすく言えば芸能人やモデルといったメディアに露出が多い人達ですね。
最近では、インスタグラマーなるインスターのフォロワー数が多い人もこのカテゴリーに含まれます。
ネットが普及する一昔前だと、メディアとそれを扱う人達が限られていたのでトレンドの発信への消費者の受け取り方が一方的でした。
ファッション、アパレル業界⇒消費者
みたいな。
だから皆今年はこれがトレンドですよーと業界が言えば素直にそれを受け止めていた部分があります。
なんでトレンドの傾向などは読みやすかったのです。
素直に受け止めて『今年はこれがトレンドなんだ..ファッション誌にも載ってるし買おうかな』と。
昔のファッション業界の情報はファッション誌と販売員のみでしたから。
しかし、今は個人がネットやSNSで情報が発信できる時代です。
トレンドやファッションに関する情報がファッション業界の一方的ではなく他方に渡って収集出来ます。
こんな感じ。
ファッション アパレル業界⇔インフルエンサー⇔消費者⇔消費者
ここでの一番のポイントは消費者同士が他人でも情報共有出来てしまうというところです。
例えばネットがやSNSが無い昔は、〇〇が良いと思っていても、それは自分だけじゃないのか? という不安がありました。
アカの他人の考えてる事なんて分からないし、周囲の知り合いに聞くのも もしかしたら馬鹿にされるかも… なんて事はよくある事でした。
でも今はアカの他人でも、その情報が簡単に手に入ります。
『あ、〇〇良いって言う人結構いるんだ。』
『みんなが良いっていってるから間違いない』
みたいな。
だからファッション誌に書いてある事を鵜呑みにしないし、そもそもファッション誌はほとんど読まれなくなっています。
今は、個人の情報の方の収集の方が多くなっています。
だからユニクロが消費者にここまで定着したのかなと。
それ以外にも色々な要因はありますが、この情報の共有化も結構大きいのでは?と思います。
だってもともとはガチガチの量販店でしたからね。
そのイメージを変えた企業努力の賜物で今に至る訳ですが、
『みんなが買いだしたから買ってみようかな』とか『ユニクロ着てもオシャレって思われるんだ』
というのをSNSとかで知って買いだした人も結構な数いるんじゃないのかなと。
冒頭から説明していたコレクションはファッションを提案する側の変化の流れです。
そしてもう一方でその提案を受け取る側の消費者の受け止め方があります。
先ほども言いましたが、ファッションはもう提案する側の一方的なものではなくなっています。
なので、トレンドは提案する側と受け止める側の両方をバランスよく見る必要があります。
こーいう時代なのでファッションに限らずトレンドなどは何が来るかは読みづらくなっています。
それでも、ファッション業界側の一連の発信の流れを把握しておけば少しは面白いかなと思って今回は書いてみました。